つぶや記

京都で大学生をやっている松岡智之です。 新聞記事に突っ込んだり、読んだ本の感想なんかを徒然なるままに執筆します。

2008年02月

フィッシング詐欺?

 本日、フィッシング詐欺と思われるメールが届いた。

差出人:service@ac.ebank.co.jp
件名:イーバンク銀行からのお知らせ[メッセージがあります]‏
本文:
イーバンク銀行をご利用いただきありがとうございます。
メッセージがあります。詳細はログイン後「メッセージボックス」をご覧ください。CC65)
http://home.graffiti.net/ebankfes/ebank23412234.html

イーバンク銀行



 差出人として表示されているアドレスは本物のイーバンク銀行のものかもしれないが、これは簡単に偽装できる。これだけでは判断できない。
 問題はリンク先だ。URLの最初が“http://home.graffiti.net/”というのは明らかにおかしい。イーバンク銀行ほどの大企業なら、当然独自ドメインくらい持っているだろう。現に、本物のイーバンク銀行のURLはhttp://www.ebank.co.jp/である。
 また、リンク先にはユーザID、ログインパスワード、暗証番号を入力する画面があるが、本物のイーバンク銀行のサイトによれば「イーバンク銀行より、メールでID・PW・暗証番号を同時にまたは直接入力するサイトをお送りすることはありません。また、当行のログイン画面には、暗証番号を入力するものはありません。」と書いている。

 従って、メールに記載されているアドレスのサイトは、フィッシング詐欺用のサイトであると高確率で推測できる。

 興味のある方は上記URLのサイトを見るのもいいだろうが、本物のID、パスワードを入力しないように。
 私は架空のIDでやってみたが、不正利用防止のために「ワンタイム認証」なる手続きを要請する、いかにも銀行らしいメッセージが表示され、そのページからは本物のイーバンク銀行のサイトに誘導され、そこで実際にイーバンク銀行がやっている「ワンタイム認証」の案内もされているなど、なかなか自然に客のパスワードを盗み出すことができるようになっている。インターネットに疎い人なら騙されてもおかしくない。

刑法244条の例外

 未成年後見人として孫の財産を管理する祖母が孫の財産を横領したとして、最高裁は祖母に有罪判決を下した。この事件では、直系親族間の窃盗横領などの刑を免除する刑法第244条が未成年後見人にも適用されるかが争われていたが、最高裁は「未成年後見人は公的性格を有しており、刑は免除されない」との初判断を下した。

参考記事:孫の財産着服した後見人、親族でも刑免除せず…最高裁が初判断(2008年2月20日23時14分 読売新聞)



刑法
第244条 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。

第255条 第244条の規定は、この章の罪(業務上横領など、括弧筆者)について準用する。



 泥棒は悪い、というのは当たり前の話だが、日本には、親族間の財産犯を不処罰にする規定がある。つまり、親や息子、祖母や孫の物を盗んだり横領したりしても、その道徳的評価はともかく、刑法は関与しないということだ。
 このような規定の背景には、「法律は家族の問題に関与せず、家族内で解決すべし」という考え方がある。昔は、財産は家長が所有するもので、親族間の窃盗=子が親の物を盗む、というのが一般的であり、逆はあまり考えられなかった。このような子への処罰は親がやるべきもので、国家が口出しすべきでない、というわけだ。

 しかし、この事件では、親の死によって保険金を受け取った子の財産を未成年後見人の祖母が叔父夫婦の生活費などに約1540万円を流用した。未成年という社会的弱者が被害に遭っているのに不処罰というわけにもいくまい。最高裁は「後見人は財産を誠実に管理する法律上の義務を負い、その業務は公的性格をもつため、処罰は免れない」と決定した。

 しかし、義務を負っているからといって、その義務違反に民事はともかく刑事罰を課すためには明確にその旨を法律で規定しなければならないというのは罪刑法定主義の大原則だ。近代刑法は権力者による刑罰権の濫用を防止するために、法律で明確に定められている場合にのみ刑罰を課すというルール、罪刑法定主義を重視している。悪いことでも法律に書いていなければ処罰することはできないのだ。これは現在、憲法上の要請とも考えられている。

 今回の最高裁の判断は、罪刑法定主義に反しないのだろうか。

 私は、この横領した祖母が処罰されること自体には異論はないが、法律に反した刑罰が認められたという点で大いに疑問に感じる。

書き間違いでそこまでしなくても

 アニメ「らき☆すた」の小早川ゆたか役を演じている長谷川静香さんのブログに記述ミスがあったとの理由により、ブログが無期限休止になったらしい。

ライブドア・ニュース:「らき☆すた」声優ブログ無期限休止 コメントの指摘にショック受けた?

 この記事によれば、自分が受けたインタビューが掲載されている雑誌を自身のブログで紹介したが、号数を間違っており、それに対して手厳しいコメントが寄せられ、長谷川さんはブログ記事を全て削除し、ブログを無期限休止したという。

 どのような記事を書いてどのように炎上したかを直接確かめることはできなかったが、本当に些細なミスらしい。声優グランプリか何かを受賞し、それについてのインタビューを受け、それが2月号に掲載された。この雑誌を紹介したブログは2月16日に書かれたが、その時にはすでに3月号が発売されていた。しかし、長谷川さんは3月号が発売されていることを知らずに、「今月号に掲載」と書いたそうだ。

 しかし、それについて何とも傲慢がコメントが来た。
 上記ニュース記事を抜粋する。




このブログには4つのコメントがカキコまれていて、その中の一つが少し厳しい書き方をしていた。

「特定の一人の為に購入した人にとっては、可哀想な事になりました。恐らく静香さんのファンは、貴女と同い年かそれ以下の筈。金銭的には安くないはずです」
このコメントの約5時間後に、長谷川さんは「無期限の休止」をブログで宣言。過去の記事を全て削除した。ただし、この記事のコメント欄は残されていて、長谷川さんが突然ブログを休止した背景について議論が白熱する。きっかけは、厳しいコメントを書いた人物からの再投稿だった。

「長谷川さんも矯正してあげてもいい」でまた混乱
「どうもお灸が効き過ぎたようです。人を叱ると言うは本当に難しい。この責任の一端は私にも有るでしょうし、何かしら責任を果たさないといけないでしょう」
そして、有名な女性声優の名前をあげ、かつて彼女の文章上の問題を指摘し「矯正」させたことがあるとし、長谷川さんも矯正してあげてもいいとカキコんだ。

「その代わり私は厳しいですけれど。教わりたいと言う旨のメールを貴女から届き次第、時間を割き課題とか考えて返信します」
ファンたちはこのコメントにカチンときたようで、カキコんだ人物に対するバッシングが始まり、コメント欄は混乱した。





 矯正だってさ。お前は何様か?

 それにしても、最近は人の揚げ足を取る奴が多い気がする。マスコミもそうだ。「失言」だとか言ってその人の発言の内容や文脈を全く無視して批判する。いや、ここで「批判」という言葉を用いるのは不適切だろう。批判は論理的な反論でなければならない。単なる揚げ足取りだ。どの面下げていじめの報道をやってるんだろうか
 そういう風潮だからからか、一般人までもがネット上でゴチャゴチャ騒ぎ出す。そんな事して何が楽しいのか。

 

掃除

ひさしぶりに掃除しました。

この前掃除したのが、1回生の時サークルのメンバーで鍋をやった時だから、
もうかれこれ1年以上になるかな。

そして、久しぶりにコタツが稼動しました。
コタツをコタツとして使うのは、1回生の始めに京都に越してきたばかりの時以来、2年ぶりです。


いやぁ、コタツっていいですね。
唯一の暖房器具ですから、冬は無いと辛いです。


さて、今日は京都市長選挙。
ぶっちゃげ、全く興味ありません。京都にはあと2年くらいしかいないだろうから。
むしろ、大牟田市議選(地元)の方が気になります。
しかし、有権者となって初めての選挙だから、とりあえず誰かに入れるとしよう。

私の投票対象選定基準はポイント制だ。
まず、所属・推薦・公認政党。
最近は、自民党だと0点だ。公明党は−100点、民主党−200点、共産党−400点、社民党−500点。無所属もプラスマイナス0だ。
あと、街宣車がうるさい人は−300点。市民の生活を考えていない証拠だからである。

この時点で上位2人がそれぞれ0点だから、後はテキトーにWebサイトでも見て決めるか。

なはの最期3

 3月14日をもって寝台特急なは(京都−熊本)は廃止となる。寝台急行銀河(東京−大阪)、寝台特急あかつき(京都−長崎、京都−鳥栖はなはと連結)も廃止され、来年の春には寝台特急はやぶさ(東京−熊本)も廃止だ。

参考サイト


 私も実家から京都に戻るのになはに乗ろうと思い、3月14日発の上りの切符を買おうとしたが、売り切れだった。駅員に聞くと、発売日の2月14日は朝から並んでいたという。昼の1時に駅に行った私は甘かった。

 かつては全国を走り回っていた夜行列車がどんどん減っていくののは寂しいものだ。確かに夜行列車のスピードは航空機や新幹線には敵わない。
 しかし、景色に見とれながらゆっくりと旅をする魅力もまた格別ではないだろうか。みんな急ぎすぎだ。それに、利便性を言うならば、夜、新幹線より遅く出発して、朝、新幹線より早く到着する夜行列車は捨てがたいと思うのだが。
 これも時代の流れだろうか。

 そういえば、海援隊の「思えば遠くへ来たもんだ」でも、夜汽車の汽笛聞くたびに故郷を思い出す様を歌われている。あの列車は故郷九州に向かっているのだなと。あれに乗れば帰れるのだなと。そして、故郷を思い出すのだ。新幹線も博多に秋田に山形にと走るが、あれでは故郷は思い出せない。航空機に至っては福岡空港に行くのかシャルル・ド・ゴール空港に行くのかさえ分からない。やはり、夜行でなくては絵にならないのだ。












 と言いつつ、私は特に理由(朝早く着きたい、夜遅く出たい、とにかく乗ってみたい)がなければ、新幹線より高い寝台車は使わないのだがな。だいたい新幹線か18きっぷ。


なは号関連記事
なはの最期
3月14日なは号の切符買えば良かった
なは乗車3・12
3・14なは・あかつきラストラン

書評「日本とフランス二つの民主主義」5

薬師院 仁志 (著)『日本とフランス 二つの民主主義』

 民主主義対絶対王政の時代は終わり世に民主主義が普及した現代において、民主主義の中の相違点、つまり、自由主義と平等主義のどちらを選ぶかが問題となる。この二つは対立する概念であり、近代の民主的な選挙では、このうちのどれを選ぶかが焦点となっている。しかし、日本では戦時期に民主主義も自由主義も共産主義も一緒くたに弾圧対象となったために、民主主義に対する正しい理解ができていない。だから、日本ではどの政党も民主的で自由で平等な社会を目指そうということになり、国民は事実上、選挙で選択肢が与えられていない。
 本書では、フランスの社会情勢を例にして、平等主義を紹介している。日本はアメリカ型の自由主義社会であり、自由主義の良さも悪さも知れれているが、フランスのような平等主義はあまり知られていない。自由主義と平等主義それぞれの長所短所を知ってもらい、国民が正しい情報と理解を持った上で選挙に臨むことが著者の狙いである。
 なお、ここでいう自由とは、あくまで「経済活動の自由」である。個人の思想や宗教は日本もフランスも当然自由である。これらの自由をも奪って完全な平等社会を築こうとするのがソ連・北朝鮮などの共産主義(社会主義)、経済活動の自由を制限して格差を許容範囲にとどめようとするのがフランスなどの平等主義(社会民主主義)、経済活動の自由を広く認めて自由競争によって経済を活性化させようとするのがアメリカ・日本などの自由主義だと本書では位置付けている。本書では平等主義と自由主義の対比に重点を置いている。


 本書は、政治的な意味における右と左が何を意味するのかを知るためにも役立つ。右翼、左翼。
 本来、伝統的・保守的・現状維持的な主張が右であり、革新的な主張が左である。つまり、産業革命以来の伝統である自由主義(リベラル)が右派、自由を制限して実質的な平等を実現しようというのが左派である(共産主義はこれを極端にしたもの)。右翼=国粋主義という認識は本来の区分法ではない。
 ところが、日本では、戦後長らくこの構図が当てはまらなかった。日本では戦時期に民主主義も自由主義も共産主義もともに国家主義に反するものとして弾圧対象になった。当時は民主主義・自由主義・共産主義が国家主義と対立するものと考えられていた。このため、日本では「保守的」という言葉が自由を抑圧する封建的な政治を意味するものと考えられていた。戦後の左翼人は戦前戦中の考え方を否定しているつもりでも、この考え方はしっかりと継承した。また、自民党などの保守政党は自由主義を掲げてはいたが、護送船団方式や食糧管理制度、公共事業を通じた市場原理に反する利益配分など、自由主義とは程遠い政策を続けてきた。
 この結果、自由を制限して既得権益を守ることが保守主義だと理解され、右派=保守=反動的=統制主義、左派=革新=進歩的=自由主義といういびつな等式が成り立ったと言う。(P.60〜67参照)本来は右派=保守主義=自由主義で自由競争推進、格差やむなしで、左派=統制主義、格差抑制である。
 もっとも、私はこの点については少し疑問を持つ。単に日本では政治用語の使い方が欧米諸国と異なるだけで、55年体制は中道左派の自民党と極左の社会党・共産党の対立の時代ではないかと私は思う。
 しかし、本書を読めば、「右」と「左」、「保守」「革新」などの政治用語の混乱を整理することができるだろう。
 なお、アメリカでは、共和党が自由主義、民主党が(あくまで共和党との比較の上で)平等主義である。にもかかわらず、民主党の方がリベラルと呼ばれているが、ここでいうリベラル(自由主義)とは経済ではなく宗教についての話である。共和党はプロテスタントの倫理観の影響を強く受けており、人工妊娠中絶や同性愛、進化論教育に反対しているが、民主党はそれらについて寛容であり、そういう意味でリベラル=自由なのである。経済政策から見れば、共和党の方が自由主義である。(P.71〜76)


 フランスの社会の長所短所や「右とか左って何?」といったことを知りたい人に本書をおすすめしたい。読んだところ、著者はフランスびいきのように感じられるが、フランスの社会政策やその考え方について問題点も含めて深く解説している。
 また、愛国心=右翼=反民主的=国粋主義などという短絡的な発想に陥っている人にも是非読んでもらいたい。
 また、巻末資料には減税・補助金などフランスの子育て支援サービスが17ページに渡って収録されており、それだけでも利用価値はあると思う。


以下、私が特に興味深いと感じた部分をピックアップする。

日本の左派政党の凋落「“珍主張”を続けた日本の左翼人」P.48〜
消費税は本当の金持ちに不利な税制P.51〜53
郵政選挙、保守政党らしい自民党と反対主張を出せない野党P.79,80
社会民主主義の誕生=愛国心の強調P.141〜145
徴兵制に賛成するのは左翼P.146〜148
日本的左翼勢力の自己矛盾P.148〜151
人権 神に守られるアメリカ人、国家に守られるフランス人 両憲法の比較 アメリカは人権神授説P.164〜173,76
フランス「内戦」 対した暴動ではなかった?P.178〜189
フランスの雇用 正規と期限付 非正規雇用の方が企業に不利P.216〜219
フランスの少子化対策 手厚い福祉と安い学費P.232〜242




『日本とフランス二つの民主主義―不平等か、不自由か』
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国歌斉唱の職務命令に反した教職員の再雇用拒否が違法?

読売新聞「国歌斉唱しない教職員の再雇用拒否、都に賠償命令」2008年2月7日15時33分

 この記事によれば、卒業式で教職員に国歌斉唱するよう職務命令を出したことについては合法だが、その職務命令に1回違反した程度で再雇用を拒否することは裁量権の逸脱であり違法、というわけだ。

 この判決には疑問がある。
 まず、この教職員は解雇されたのではない。雇用契約終了後の再契約ができなかったにすぎないのだ。雇い主による解雇に制限がかかるのは理解できるが、再契約についても職務命令違反をもってしても拒否できないほど規制が強いとは。この判決は、国(司法)が雇い主に問題のある従業員との雇用契約締結を強制することを意味している。労働問題の訴訟としては考えにくいことだ。表向きには職務命令を合憲としているが、裁判官のイデオロギー的偏向が伺われる。ちなみに、裁判長は中西茂である。

 そもそも、この教師は自己のイデオロギーに従って国歌斉唱を無視した。卒業式という重要な式典にてである。式典における重要な儀礼に反することは教育者としてふさわしい行為だろうか。これが許されるなら、気に入らない校長の長話に飽きて私語を続ける生徒に、どうやって教師は指導できるというのか。

 この判決が子供たちに悪い影響を与えないことを祈る。

感想「坂の上の雲」1巻

 先日購入した司馬遼太郎「坂の上の雲」の1巻を読み終えました。

 この作品は、明治時代に活躍した正岡子規、秋山好古、秋山真之を描いた歴史小説である。正岡子規は短歌俳句の世界で、好古は陸軍騎兵隊で、真之は海軍で活躍した。第1巻は、彼らの少年時代から、いよいよこれから大仕事に取り掛かる青年期に入るあたりまでを描いている。
 私が感じたことは、明治時代の希望である。まだ近代国家として産声を上げたばかりの日本では、己の実力次第で上に登り、国家を引っ張っていくことが現代よりも現実的なものとして描かれている。事実、それほど裕福ではない武家の家に生まれた秋山兄弟が日露戦争で重要な役割を果たすのだ。特に、日本海海戦のT字戦法は秋山真之無しには語れない。

 なるほど。すでに完成したとも思える現代の日本と異なり、当時の日本は欧米列強に追い付け追い越せであった。明確な目標がそこにはあった。だからこそ、その国を背負う若者を生き生きと描くことができるのであろう。


 

「ジパング」レビュー

 以前、ニコニコ動画で見たアニメ「ジパング」のレビューでも書こうと思う。

 この作品は、ハワイでの米軍との合同演習に向かう海上自衛隊イージス艦「みらい」が途中ミッドウェー島付近で低気圧に遭遇し、1942年にタイムスリップしたところから物語が始まる
 この作品のテーマは、自衛隊は戦場で何ができるか、ということだろうか。日本は、自衛隊は戦後現代に至るまで戦争を経験しなかった。それは幸運なことかもしれない。だからかもしれないが、戦場に放り込まれれた時の「みらい」乗組員の発想は決死の戦闘を繰り広げる日米両軍のそれとはズレまくっていた。敵と見なして攻撃を仕掛ける米軍に対して「専守防衛」である。そして、目先の人命を助けることのみに懸命で何のビジョンも描けていない彼らが、早期講和を果たし理想の国家「ジパング」の建設を目指す元帝国海軍の協力者草加を「裏切り者」と呼ぶ。
 そんな彼らも、米軍機の攻撃を受けて艦を損傷し5名の死者を出すことで、少しだけ自分の甘さと置かれた境遇を悟り、そこでアニメは終了する。


 しかし、海上自衛隊監修というからには、イージス艦の作戦行動シーンの描写はある程度の正確性を備えているだろう。実際にイージス艦はどう戦うのか、そのイメージを掴む上において、この作品は見る価値があると思う。

ジパング

 昨日からニコニコ動画でアニメ「ジパング」を見ております。
 海上自衛隊のイージス艦がハワイで米艦隊と演習を行うために太平洋を航行中、ミッドウェー沖で低気圧に遭遇、そして低気圧を抜けたときには昭和17年ミッドウェー海戦海域にいた、というわけだ。戦国自衛隊の海自版と思っていい。
 ちなみに、18話では石原莞爾が立命館大学で講演している場面があります。彼の世界最終戦争論、見事な予言であろう。おそらく、彼が本作品の鍵となる人物と思われる。


 実は、私は以前から石原莞爾という人物に興味を持っていた。満州事変の黒幕でありながら日中戦争の宣戦不拡大や対米戦反対を主張し、他の陸軍主戦派とは異なる。そして、当時の人間には見られない観察眼といおうか、彼は核兵器の登場とその後の米ソ冷戦を予言している。
 また、満州事変を謀略しながら対米戦には「油のために戦争するやつがあるか」などの発言もあり、彼は戦争に対し信念を持っている。

 私もまだ彼のことはあまり知らないが、研究する価値のある人物だと思う。

三池炭鉱の映画を見て、道頓堀見物4

2月2日

 久しぶりの自動車教習所の予定だったが、前日の夜更かしのせいか、寝坊。
 出席を諦め、適当にネットしていると、前から気になっていた映画『三池 終わらない炭鉱の物語』の上映が神戸であると知って、新快速で行ってきました。

三池 終わらない炭鉱(ヤマ)の物語

 まず、熊谷監督の講演。
 熊谷監督は東京出身で大牟田とは関係なかったが、閉山後の街づくりのシンポジウムに訪れ、炭鉱の歴史遺産の重要性に気付く。しかし、大牟田市民は炭鉱の遺産を残すことに否定的だった。それは、「負の遺産」があまりにも大きすぎるからだという。
 「負の遺産」。映画にも描かれていたが、囚人労働、外地からの移住民の過酷な労働、三池争議、炭塵爆発事故。
 特に、三池争議が最もつらかっただろう。なにせ、敵はかつての仲間なのだ。合理化と人員整理を進める会社と、闘争のための闘争に明け暮れる労組。三池争議のきっかけは、会社側の指名解雇だった。それに対して労組側は無期限ストに突入。当時の日本は高度成長真っ盛りで仕事は他にも沢山あり、会社の指名解雇に従って退職すれば割り増し退職金ももらえるなど、そう悪い条件でもなかった。しかし、三池炭鉱労組は、「退職する組合員の氏名を総評(全国の労組のトップ)に通告してどこにも行けないようにしてやる」と脅すなど、もはや誰のための闘争だか分からない。
 また、この三池争議には社会主義者の向坂逸郎の指導があったが、「机上の空論しか知らない向坂のモルモットにされた」と嘆く女性の証言もあった。
 このように、労組側の問題点にも突っ込んだ作品は私が見る中では初めてであり、「よそ者だからこそ」の視点でいい作品ができたと思う。


 映画の後は、ふらっと道頓堀に。
 さすがB級グルメの町。今まで生きてきた中で最高のたこ焼きとお好み焼きを味わうことができた。しかも、全部で1000円ちょっと。それに、ちゃんとカニもいたし、阪神ファンが飛び込む橋も見た。あと、観覧車があるメリーゴーランドも。

道頓堀2008,2,2たこ焼き2008,2,2

明日から自動車学校4

 今日は大学の図書館に行ってきました。春休みに読む本を借りるために。
 借りた本は、司馬遼太郎『坂の上の雲1』、ジョージ・オーウェル『パリ・ロンドン放浪記』『右であれ左であれ、我が祖国』、薬師院仁志『日本とフランス二つの民主主義』、あと経済学関係の入門書と、盛田則夫『世界のとんでも法律集』。

 全部読みきれるわけないだろうが、気になったので8冊も借りてしまった。
 特に読みたいのは、『坂の上の雲』と『右であれ左であれ、我が祖国』。
 『坂の上の雲』は日本海海戦において作戦参謀を務めた秋山真之他その兄好古、正岡子規の青春を描いた小説である。漫画『日露戦争物語』もこれを元にしており、この漫画を読んだきっかけでこの小説も読もうと思った。
 『右であれ左であれ、我が祖国』は、イギリス人評論家ジョージ・オーウェルが祖国イギリスについて書いたものだ。どんな内容かはまだ読んでいないので分からないが、近々書評でも書こうと思う。
 ちなみに、僕がジョージ・オーウェルに興味を持ったきっかけは、産経新聞2007年9月27日朝刊の、確か自衛隊の海外派遣についての記事だったと思う。この記事に、「平和主義者。彼らが暴力を放棄できるのは、他の人間が彼らに代わって暴力を行使してくれるからだ」という引用があり、僕は、なかなか的を得た言葉だと思って原典を読み、それ以来彼のファンの一人となった。ちなみに、「オーウェル評論集」に収録されてる『ナショナリズムについて』に先程の言葉がある。これについても、近々書評を書きたい。
 あと、『日本とフランス二つの民主主義』には、フランスでは左翼が徴兵制維持を主張していると書いていると以前どこかで読んだ。日本とは逆である。国のために死ぬ義務は貧富を問わず平等に負うべし、ということらしい。そういう話を聞いて、この本を読もうと思った。あと、ドイツでも、軍部は徴兵制廃止を主張しているが、良心的兵役拒否者のボランティアがいなくなって福祉関係者を安く雇えなくなると困るから兵役を廃止出来ないそうだ。


 さて、明日から自動車学校である。12月から通っていたけど、1月は試験のために全部休んだ。だぶん、感覚忘れているだろうな。
 仮に順調に教習と試験をクリアしたら、2月14日に仮免許がもらえます。これで公道を走れます。


 ところで、mixiとブログとの役割分担をどうしようか。とりあえず、政治社会関係の話はブログで、赤の他人にはどうでもいいような事はmixiで、というようにしようか。

毒餃子問題 今後の展開を予測する

 中国産の冷凍ギョーザから毒物が検出され約400人(現時点)が健康被害を受けている。この事件について、今後の展開を予測したい。

 以前、段ボール肉まんの問題では、捏造報道ということで処理された。テレビ局の人間がでっちあげたというわけだ。「変な味がする」という証言をどう位置付けるのかがはっきりとしないまま、関係者2人を逮捕して事件は終わった。
 中国は日本や欧米のような近代司法にはなっていない。政府(中国共産党)に都合の悪い人間を適当に何か罪状を付けて逮捕・死刑というのも日常茶飯事だ。冤罪を主張する弁護士が「交通事故で死亡」することもよくあると聞く。

 このような国だから、段ボール肉まんを記者の捏造と処理することも、そう難しいことではないだろう。

 今回の毒餃子事件でも、同じように処理されることが予測される。おそらく、政府は故意による毒物混入事件ということで工場関係者を逮捕するだろう。
 もっとも、この事件の原因となったメタミドホスは熱によって分解されるので、原料の野菜に使用された農薬が原因とは考えにくい。つまり、工場で混入された可能性が高くなる。
 問題となった工場は賃金をめぐる労使対立が激しかったので、経営者に恨みを持つ従業員が毒物を入れた可能性は否定できない。しかし、政府はそれが事実だと知らなくても、そのように処理するだろう。その方が中国のイメージダウンが小さいからだ。中国の産業構造に原因があったら、他の中国製品も同様に危険視される。それに比べて、特殊な犯罪と位置づけることができれば、この事件は例外ということになり、他の製品は大丈夫ということになる。

 中国には故意犯として処理するメリットは大きく、それを実行するための環境も十分にある。これだけは断定できないが、しかし、私は数日中に従業員が殺人未遂で逮捕されるだろうと予測する。
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