つぶや記

京都で大学生をやっている松岡智之です。 新聞記事に突っ込んだり、読んだ本の感想なんかを徒然なるままに執筆します。

2008年05月

日本の政治家は何やってんだ−チベット問題

中国の胡錦濤国家主席が来日した時、チベット人やウイグル人の虐殺や毒ギョーザなどの問題について誰が毅然とした態度で胡錦濤と接することができるか気になっていたが、それについてしっかりと言うべき事を言ってくれたのは安倍前首相だけだった。

安倍前首相は日本の歴代首相と胡錦濤が集う晩餐会で、「チベットの人権問題について憂慮している。ダライ・ラマ側との対話再開は評価するが、同時に、五輪開催によってチベットの人権状況がよくなったという結果を生み出さなければならない。そうなることを強く望んでいる。」と発言した。まわりは皆「空気を読んで」険悪なムードになることを避けるために中国のご機嫌を損ねる発言はしなかったが、その中で唯一安倍晋三だけが当たり前の事を言ったのだ。

日本では最近「KY」という言葉が流行っている。「KY」とは「空気を読めない」の略語だ。マスコミやネット上では、この発言をもって安倍前首相をKY扱いすることがある。
言ったら面倒なことになりそうな事は言わないということは処世術としては有効な場合もあるだろう。しかし、外交の場において、目先の面倒事から逃げるためにするべき主張をしないことは全くナンセンスである。戦後の日本外交はその連続だった。韓国や中国とは国家主権に関わる重要事項でる領土問題を放置して目先の利益のために国交を結び、多額のODAを献上してきた。日本は侵略を受けているのに、その対応は信じられないくらい甘い。歴史についても、従軍慰安婦強制連行や南京大虐殺、化学兵器の遺棄など、存在が強く疑われている事について、日本の政治家は論争を張ることを恐れて「謝罪」という安易な道を選んだ。かつて国のために命をかけて戦った人々の名誉と国家の信義よりも、自らの保身を優先したのだ。

これはKY文化の重要な側面だ。単一民族の農耕国家であれば、その発想は悪くはないだろう。しかし、自らの利益のために主張をぶつけ合うことが当然視される国際社会で「空気」を読んでいては始まらない。日本人の勝手な美徳は日本国内にのみ通用するのだ。

それに、晩餐会の場において「KY」だったのは安倍前首相かもしれないが、世界的に見て「KY」なのは、チベット人虐殺について沈黙している日本の政治家(安倍氏を除く)だろう。外国から見て、日本はどう見られているだろうか。パンダに買収されて民族虐殺に追随する共犯者と受け止められはしないだろうか。

一般財源化に持ち込んだのは民主党の成果

ガソリン税暫定税率や道路特定財源の使い道などで民主党が攻勢を強め、ついに政府・自民党は道路特定財源の一般財源化を決めた。

道路特定財源の一般財源化は小泉元首相も構造改革の一環として実現を目指していたが、道路族の抵抗が強く、世論の高い支持がありながらも見送った。安部元首相も少しは手を付けたが、道路整備で余った分の一般財源化という極めて不十分な内容にとどまった。
それほどまでに、自民党道路族の力は強大なのである。

しかし、民主党が参議院第一党となり、ガソリン税暫定税率の撤廃を主張する中で、マスコミも道路特定財源について大きく取り上げ、政府を厳しく追及した。30年以上続けられた「暫定」税率がこれほどまでに厳しく批判されたことは初めてだろう。
このような外圧があってこそ、道路特定財源の一般財源化は実現間近まで来たのだ。

道路特定財源が一般化されるとどうなるのか。まず、財務省や国会予算審議で今まで以上に厳しく審査される。こうなると、無駄な事業は審査を通りにくくなる。また、道路特定財源はその税収をすべて道路関連事業に使うことになるが、一般財源になると、ガソリン税などは所得税や法人税などの他の税とまとめられ、そこから社会保障や国防などに振り分けられる。道路建設もその中に入る。こうなることで、他の支出との優先順位や財政状況を考慮した上で道路に使う金額が決まるのである。それにより、自動車関連の税収に関係無く、必要な分だけを道路に使うことになる。その結果、道路に使うお金が増える可能性は税制上理論的にはあり得るが、現在の政治情勢や道路の整備具合を考えると、その可能性は低いだろう。
このように、道路特定財源が一般財源化されると、制度上の理由により、無駄が大幅に省かれるのである。

これは、地元に道路工事の仕事を持って帰り、その代わりに建設業者から選挙応援を受ける、いわゆる「道路族」議員にとっては死活問題である。地元にもたらす仕事が減れば、その議員を応援するメリットがなくなるからだ。だから、道路族は一般財源化に猛反対なのである。

確かに、公共事業を通して都市部の富を地方に再配分するという考え方は、地方格差の是正という観点から見たら決して的外れなものではない。しかし、国家財政が危機的な状況にある現在では、もはやそのようなやり方を続けることはできない。

今回、民主党は年金問題で得た参院の議席数を背景に、政府・自民党のガソリン税制・道路事業を厳しく追求し、その結果、数々の大改革を成し遂げた小泉元首相ですら手付かずだった道路特定財源の一般財源化を実現寸前のところまで持ち込んだ。この点については、民主党の成果として素直に評価したい。ここ1ヶ月のガソリンスタンドでの混乱も、そのための必要経費だと思えば、高くはないだろう。

メモリ増設

パソコンのメモリを増設してきました。
ムチャクチャ速いです。
もっと早くしとけばよかったです。

256MBに512MBを追加、一気に3倍に。
メモリ代が5700円に作業料2500円。

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