今日、朝日放送の「たけしのTVタックル」を見ていると、突然画面上部に「福田首相辞任」の緊急ニュースが流れた。その数分後、番組は中止になって総理の記者会見と報道ステーションが始まる。この間、音声が流れなかったり、(おそらく誤って)TVタックルが数秒放送されたりするなど放送ミスが相次いでいたことを考えると、報道現場の混乱は相当のものだっただろう。

 早速、安倍前首相の辞任に重ね合わせて「無責任だ」などと言われているが、ではどのような辞め方がよかったのだろうか。「10月で辞めます」と言うより、早く辞めてもらったほうがいいと思うが。福田首相は国会会期すら自分で決められないくらいに政治力が失墜したから辞めるようだが、それなら無駄に時間を使うほうが無責任ではないだろうか。政治運営に行き詰まった総理が「もはやこれまで」と辞任するのはいつものことだと思う。辞め方云々にケチを付けても生産的な議論にはならない。大切なのは、これからどのような政治を行うかだ。

 さて、次の首相だが、やはり麻生太郎だろうか。国民からの人気は高いし、過去の総裁選にも出馬し続けている。そして何より信念を感じる。他の政治家にもそれなりの信念はあるだろうが、麻生さんほど積極的に国民に伝えようとしている政治家はそうはいない。これは政治家として必要なことだ。

 私は前回の総裁選では麻生さんを支持していたが、よくよく考えてみたら、安倍さんの後にいきなり麻生さんが総理になるよりも、間に福田さんのようなボーっとした人間を置いたほうがよかったかもしれない。なぜなら、小泉・安倍総理は聖域なき構造改革、戦後レジームからの脱却などと自分の政治信念を持ち、それに沿った政策を推し進めていたが、そのような政治家に多数の国民が飽きていたからだ。本当はそういう人間が政治家にふさわしいと思うのだが、大衆というのはそういうものだ。そこに麻生さんのような、これまたアクの強い政治家が総理になると、マスコミ・国民はなかなか受け入れないだろう。そこで、彼らとは対極に位置する、何を考えているのかがさっぱり分からない福田を総理にすることで、国民に「政治家ははっきり物を言わないといかん」と思わせ、麻生さんの仕事がやりやすくなるというものだ。

 そして、こういう永田町が忙しい時期に衆議院議員の地元事務所へインターンシップに行く私は運が良いのか悪いのか。民主党議員の事務所にほぼ毎日行く以上、麻生さんの演説に行けないのはいささか残念だが、面白いものが見れるかもしれない。



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