つぶや記

京都で大学生をやっている松岡智之です。 新聞記事に突っ込んだり、読んだ本の感想なんかを徒然なるままに執筆します。

2010年06月

書評「債権なにがなんでも回収法」

石原豊昭『債権なにがなんでも回収法』

 貸した金や商品の代金の取立てについて、波風の立たない穏やかなやり方が相手に強烈に嫌がられるやり方、若干違法性のあるやり方まで、債権回収に使えるさまざまな方法を紹介している。
 本書では法律の話はもちろんあるが、それがメインではない。債権回収の2要素は「支払い意思」と「支払い能力」である。相手が借金を返す気が無いと訴訟など面倒な手段を用いなければならなくなる。どのように債務者を追い詰め、借金を返す気にさせるかなど、駆け引きのやり方について説明している。債務者への圧力のかけ方もいくつか紹介されているが、債務者の自宅へ夜討ち朝駆け、さらに、第三者の同情を得て債務者がその地に住みづらくなるように「頼むよ、ナ、頼む、返してくれ」と言うなど債務者がバツの悪い思いをするような演出をするとよい、という方法には感銘を受けた。他にも、どこの悪徳弁護士だと突っ込みたくなるような方法が紹介されている。

 法学部生など、債権法(民法)を学ぶ人は、これから学ぶことが債権回収にどのように使われるのかを知るために、本書を読むことをおすすめする。

書評「いちばんわかる税法の本」

野口浩『いちばんわかる税法の本』TAC出版

 所得税、法人税、消費税、相続税についての大まかな説明を分かりやすくしている。三木義一先生の「よくわかる税法入門」ほどチャラチャラしておらず、各税目ごとに説明されている。
 著者は税理士であるが、時々、税理士の立場から複雑な税制やそれをなかなか理解してくれない経営者に対する愚痴があったりして面白い。税理士としての経験談も多いから、税理士がどんな仕事をしているのか参考にすることもできるだろう。

 一般人は、税法はサラリーマンに厳しい、消費税はお店で商品を買った消費者が納税するものだ、相続税は自分が相続した財産にかかる、と思っていることがしばしばあるが、それが実は誤解だということもこの本を読めば分かりやすく説明してくれる。

脳死は人の死か? 税務署に聞いてみた

脳死は人の死か。
旬を過ぎた話題だが、去年の今頃は議論になっていたな。

そこで、確定申告書を出すついでに税務署の人に聞いてみた。

なんで税務署に聞くのかというと、ここは相続税を扱っているからだ。かなりのレアケースだとは思うが、脳死と心臓死のいずれを死亡、つまり相続の開始とするかで相続税の金額が変わることがある。簡単に言うと、死んだ人の子供(法定相続人)の数が多ければ多いほど、一人当たりの取り分が減るから、税率が低くなる。死んだ時点で子供が1人か2人かで相続税の金額は違うことがある。

質問
「相続税の計算をする時、脳死は人の死として扱うのですか。例えば、父親が脳死状態になり、その後息子が亡くなって、その後父親が臓器を摘出されるなどして心臓死になった場合、父親はいつ死んだことになるのですか?」

税務署員
「すみません、ちょっと調べてきます。」

数分後
税務署員
「医者が死亡届に書いた日ですね」


そう来たか。
じゃあ、死亡届にはいつの日付を書くのかな。機会があれば聞いてみたい。
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