小島恒久著『九州における近代産業の発展』を読んだ。

 幕末の佐賀藩、薩摩藩、長崎における集成館などの製鉄事業、三池炭鉱、高島炭鉱、釜石製鉄、八幡製鉄、三井化学、チッソなどの成立発展の経緯についてまとめた本である。

 私は九州山口近代化遺産群が世界遺産暫定リストに入ったことをきっかけに地元の明治期の遺構に興味を持ち、こういう本を読んでいる。現在では九州は日本経済において大きな存在ではないが、幕末明治期には西洋の先端技術を日本で真っ先に取り入れた地域である。さらに歴史を遡れば、弥生時代の稲作から九州は日本最先端の地域というわけだ。