4月27日放送の「行列のできる法律相談所」で、電車の中で痴漢に間違えられたらどう行動すべきか、というテーマで4人の弁護士が意見を戦わせた。

 すると、4人のうち、北村弁護士と本村弁護士は「走って逃げる」が最適と答えた。北村弁護士によると、痴漢と疑われた時点で数十日も拘留され、その間に仕事はクビになり、裁判でも無罪になることは極めて難しい。だから、一か八かで走って逃げ、それ以降は通勤ルートを変えた方が良いということである。反対意見の菊池弁護士も「走って逃げろというアドバイスは非常に傾聴に値するものだと思います」と述べている。島田紳介も「(弁護士から走って逃げろという答えが出ることは)この問題がどれだけ根が深いかを表している」とコメントした。

 それに対し、住田弁護士と菊池弁護士は「裁判で無実を証明すべき」と。住田弁護士は、逃げたら「悪いことをしたから逃げた」と思われ心証が真っ黒になる、疑われたら近くに乗っていた人にも一緒に降りてもらい位置関係を証明できるようにすべき、マジメな人で前科前歴が無かったら検察にとって起訴することは難しいと答えた。

 痴漢冤罪が大きな社会問題となり、疑われたら無実を証明することは困難だということは知っていたが、まさか弁護士が「逃げろ」と言うとは。それほど事態は深刻だったのかと改めて感じさせられた。

 ちなみに、痴漢に疑われた時の対処法について、私見では、逃げるのは得策でないと思う。逃げ切ればいいが、もし捕まったとき、警察や裁判官、職場の人間だけでなく、家族・親戚・友人からも完全に信用されなくなるからだ。逃げずに無罪を主張し続けたら、たとえ有罪となり勤務先に解雇されたとしても、日頃から浮気を繰り返していたといった事情が無い限り、家族・親戚・友人には信じてもらえるだろう。生きていくうえで、それは仕事よりも大切ではないだろうか。

 もっとも、このようなことを心配せずに済む司法を作ることが何よりも大切である。裁判官は女性の証言だけを信用して男性の言い分をほとんど聞かないのが実情であるが、女性が示談金目的で痴漢事件をでっち上げた事件も存在する。せめて、被疑者が否認している事件では、被疑者の手に被害者の下着の繊維や体液が付着しているといった物的証拠を有罪認定の要件とすべきではないだろうか。事件の後被疑者が手を洗っていないことは容易に証明できるだろうし、警察がすべての痴漢事件被疑者の手を検査することも難しくはないはずだ。
 長期に渡る厳しい尋問で自白を強要することや、明確な証拠無しに有罪判決を出す裁判は改めるべきである。