最近、一般市民が記事を書いてネット新聞に投稿する市民メディアが盛んになっている。有名なものとしては、ライブドアのPJニュースやオーマイニュースなどが挙げられるだろう。

今回は、私が投稿しているツカサネット新聞について紹介したい。

ツカサネット新聞には政治・社会から地域のイベント、生活情報、映画や書籍の紹介、グルメレポート、エッセイなど硬軟さまざまなジャンルの記事が投稿されている。

ツカサネット新聞に投稿するためには、記者として登録しなければならない。この作業は氏名・ペンネーム・住所などを入力するだけで簡単にできる。本名も登録しないといけないが、記事に出す名前はペンネームでもよい。これは市民メディアとしては珍しいことだ。

登録されたら、ログインして「記事投稿はこちらから」を押し、書きたい記事を入力する。この時注意すべきことは、ログインして数分で自動的にログアウトされることがあるので、あらかじめ文章を用意し、それをコピー・ペーストした方がよいということだ。私が最初に投稿した時は、このことを知らずに数十分かけて記事を書き、いざ送信しようと思ったらログアウトされ、ブラウザの「戻る」ボタンを押しても書いた記事が復活せず、悲しい思いをしたものだ。

投稿した記事は審査され、問題ないと判断されれば記事として掲載される。しかし、実際に掲載されている記事を見ると、この審査基準は甘いと思われる。私は一度も落ちた事が無い。審査にかかる期間はだいたい3日から1週間程度だ。

審査を通り掲載されると、原稿料がもらえる。基本料は100ポイント(円)で、記事の内容によってさらにボーナスが付く。このボーナスはほとんどの記事に付き、だいたい300〜500ポイントくらいだ。ツカサネット新聞のサイトで掲載されている記事にはタイトルの下に赤文字で「GET 400pt」などと書かれていることがある。これがボーナスポイントである。この場合、報酬は100+400=500円だ。また、私の感覚では、写真を入れるとボーナスが100から200ポイントくらい上乗せされているのではないかと思われる。だから、私は可能な限り写真を自分で撮って記事に入れるようにしている。
さらに、7月からは1万アクセスごとに1000ポイントが追加付与されることになった。もっとも、1本の記事がツカサネット新聞サイトで1万アクセスも集めることは滅多に無いから、あまり関係の無い話だろう。(ちなみに、私は21本書いてその内1本が3万アクセスを得ている)

このポイントは1ポイント=1円で換金することができ、1000ポイント単位で銀行に振り込まれる。アフィリエイトと違って、ツカサネット新聞で1000ポイントを貯めることは簡単だ。なお、記者は手数料を負担しなくてよい。

掲載された記事の一部はYahooやlivedoorのニュースにも掲載される。もしこれらのサイトに掲載されたら、その記事は数万人が目にすることになるだろう。


このように、表現手段としても内職としてもなかなか魅力的なツカサネット新聞であるが、問題点もある。

まず、サイトが重く、不安定だ。数日に一度は閲覧・投稿ができなくなる。

また、ツカサネット新聞は残念ながら記事の内容についての評判が悪い。ネット上では朝日新聞、日刊ゲンダイと同じくらいによく叩かれる。これは、ツカサネット新聞の記事は素人が書いたものが多く、事実誤認があったり論理的でない記事が多いためだろう。このため、Yahooニュースに掲載されているツカサネット新聞の記事のコメント欄には、批判的なコメントが多い。これはその人の記事に問題があるからでもあるが、ツカサネット新聞全体が悪いイメージを持たれていることも大きな原因であろう。
私も、書いた記事がYahooニュースに掲載され、コメントで大勢の人から批判されたことがある。その記事に関しては、後で調べてみたら事実に反する内容があった。私はそのような批判はありがたく頂戴している。セミプロとして公共空間で表現行為をしている以上、批判の対象になるのは当然のことだ。間違った内容の記事を書いたのであればなおさらである。しかし、それが原因でショックを受けて記事を書くのを辞めてしまう人も中にはいるだろう。そのことについては、覚悟しておいたほうがよい。

私は3ヶ月くらい記事を投稿して、いろんな思いをした。いつも見ているYahooニュースに自分の記事が掲載され、数十のブログからトラックバックを受けていると知ったときには驚きを感じた。初めて5000円の報酬が振り込まれたときは、所持金が増えたこと以上に、自分が書いた文章にそれだけの価値が認められたのかと嬉しくなった。コメント欄で100人くらいから叩かれまくった時にはちょっとへこんだ。

市民記者として記事を書くことは、個人ブログに書くよりもはるかに大きな影響力と責任が伴う。決して楽な事ではないが、とても有意義な体験だ。