衆議院議員選挙京都1区民主党公認候補の平智之の講演会に参加した。公演の内容は、京都の電灯産業振興や、行政ではなく地域主体の福祉を訴えるといったものだ。講演の終わりに私は「自衛隊の敵基地攻撃能力保有について平さんはどう考えているか」と質問したら、その回答がすごかった。

松岡(著者)「北朝鮮の核実験をきっかけに再び盛り上がっている、自衛隊の敵基地攻撃能力の保有や憲法9条改正の是非について平さんはどう考えているか?」

平氏「そんなもの意味がない。迎撃ミサイルの命中率はきわめて低い。」

松岡「だからこそ、放たれたミサイルではなく、放つ前のミサイル基地を攻撃する能力を持つことが議論されているが、それについてどう思うか?」

平氏「日本がそういう能力を持つべきではない。憲法に違反している。北朝鮮のミサイルには絶対防衛が必要だ。」

松岡「迎撃ミサイルの性能を上げるべきだということか?」

平氏「そうではない。テクノロジーをもって敵のミサイルを防ぐことを考えないといけない。」

松岡「どんなテクノロジーですか?」

平氏「それはここでは話せない。」

松岡「そりゃ、そんなテクノロジーがあったら軍事機密でしょうが… では、国民に知らせていないその秘密兵器で敵のミサイルを迎撃するのか?」

平氏「兵器ではない。兵器なら敵を攻撃することになる。」

松岡「では、その機械でミサイルを防ぐのか?」

平氏「機械とは言っていない。」

松岡「では、念力か何かか?」

平氏「念力ではない。」

松岡「平和的な対話で日本を攻撃させないようにしようということか?」

平氏「対話でどうにかなる相手ではない。テクノロジーで防ぐのだ。」

ここで平氏は他の人に挨拶をはじめた。私は、隣にいた事務所スタッフと思われる男性に「平さんは物理工学が専門のようだが、どんな研究をされていたのでしょうか」と訪ねたがよく分からないという。私の知らないうちに物理学会ではラムダ・ドライバ(小説「フルメタル・パニック!」に登場する、搭乗者の強い意思に反応し敵の砲弾などを跳ね返す装置)みたいなものを研究しているのか、それともSF小説の読みすぎなのかと考えているうちに、再び話す機会を得る。

松岡「先ほどの話だが、物理的に敵のミサイルを防ぐという意味か?」

平氏「ここでは議論できない。そもそも、そんなことを議論してどんな社会にしたいのだ。」

あなたがお花畑的平和論の持ち主か、それともちゃんと国防政策を考えているのかを知り、投票ための参考にしたかったが、それを話す暇もなく、

平氏「世の中には議論していいことと議論してはならないことがある。社会保障で老人を大切にするか子供を大切にするかを議論しては誰かが傷つく。それと同じだ。そいういう質問には答えられない。」


そして、平氏は逃げていった。



国防の話になると訳の分からん事を言い出す人間は多いが、平氏の場合はあまりに突飛な物言いで、私も驚いた。
基本的な国防問題に関する質問に対してこんないい加減な対応をする政治家には絶対に投票したくない。

それとも、平氏は私が理解できたい秘密兵器の開発に携わっているのかとも思ったが、平氏のオフィシャルホームページによれば、京都大学物理工学科では「高温材料強度学の権威である大谷隆一教授に材料学を教わ」り、「修士1年のときに金属ではなくファインセラミクスに関心を持ち米国留学を決意」したそうだ。斥力場発生装置の開発とは縁遠いように思われる。