つぶや記

京都で大学生をやっている松岡智之です。 新聞記事に突っ込んだり、読んだ本の感想なんかを徒然なるままに執筆します。

マスコミ批判

書評「新聞があぶない」 押し紙など

『新聞があぶない』黒藪哲也

 本書は、新聞社が販売店に実際に購読されている数をはるかに越える部数の新聞を送り、その代金を請求する、いわゆる「押し紙」問題についてのルポタージュである。
 本書で紹介された「押し紙」の一例を挙げると、大阪府四条畷市の新聞販売店は実際に配達していた新聞は一日に約3000部だったが、印刷所からは毎日5000部を超える新聞が送られた。部数拡大を目指す新聞社から必要以上の新聞を注文することを求められたためだ。余った2000部は誰にも読まれないまま古紙回収業者が引き取っている。販売店は実際に配達した3000世帯・事業所からしか代金を得ることができないが、新聞社には5000部分の代金を支払わないといけない。これでは赤字だ。注文部数が多ければ新聞社からの補助金や折り込み広告の収入は増えるが、押し紙の損失を相殺するには全く足らない。かといって、押し紙を断れば新聞社からは契約を解除され、販売店を継続できない。こうして、この販売店の経営は破綻した。

 本書では、他にも多数の具体例を示しながら押し紙の実態を紹介している。また、押し紙の被害者は新聞販売店のみではなく、全国民だとしている。なぜなら、折り込み広告の費用は押し紙も含めた名目上の発行部数に応じて決まる。そして、地方自治体は広報紙を新聞の折り込み広告として配布している。新聞の発行部数が高く偽られることで広告主が騙され、その広告主には地方自治体も含まれ、納税者が損をしているという図式だ。

 また、こういった違法行為に頼った経営をしていると、政府が新聞業界につけ込む隙を作ることになり、ジャーナリズムとしての機能を果たせなくなると警鈴を鳴らしている。

「呼出状を忘れた裁判員に刑事罰」の記事で裁判員制度批判高まる

 毎日新聞が運営するニュースサイト「毎日jp」で、呼出状を忘れた裁判員候補者が不出頭扱いになり、刑事罰の対象になる可能性があるとする記事が配信された。

 以下、問題となった記事を引用する。

 『甲府地裁(渡辺康裁判長)で20日に始まった山梨県初の裁判員裁判で、裁判員候補者とみられる女性が呼び出し状を忘れて不出頭扱いになった。裁判所の判断によるが、刑事罰の対象になる可能性もある。甲府地裁は「通常はあり得ない事態」と話している。』
http://mainichi.jp/select/jiken/saibanin/news/20091020k0000e040067000c.html、2009年10月20日配信)

 結論から言えば、この記事は誤りだ。以下、関係条文を引用する。

裁判員法第112条
次の各号のいずれかに当たる場合には、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。
一  呼出しを受けた裁判員候補者が、第二十九条第一項(第三十八条第二項(第四十六条第二項において準用する場合を含む。)、第四十七条第二項及び第九十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、正当な理由がなく出頭しないとき。

まず、裁判員候補者が出頭しない場合の制裁は「過料」であり、これは刑事罰ではなく行政罰だ。
 また、そもそも、呼び出し状を忘れた女性は裁判所に出頭している。裁判員法第112条は若干長くて読みにくい文章だが、必要な部分を抜き出せば「呼出しを受けた裁判員候補が、正当な理由がなく出頭しないときに、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。」となる。地裁が内部的に不出頭として扱うことはあっても、実際に裁判所に出頭した候補者を過料に処すことを正当化する法律は存在しない。

 記事では後者について「裁判所の判断によるが」「可能性もある」など曖昧な表現を使っているが、呼び出し状を忘れると刑事罰を受けるのだと誤解する人も多いだろう。

 そして、この記事に反応して、裁判員制度そのものを批判するブログ記事やmixiなどでの投稿が多数存在している。その一つを紹介しよう。

『好きで裁判員になるわけではない。義務としてさせられるわけです。そしてそんな裁判員候補者が、裁判員を選ぶ日に出頭して、呼び出し状を忘れたら、「不出頭」扱いになるだけでなくて、刑事罰にまで問われるという。こんな滅茶苦茶あるでしょうか。』『皆さん、他人事ではありません。いつ、皆さんが、一方的に裁判員に選らばれて、呼び出し状を忘れただけで、逆に前科者にさせられてしまうかもしれないのです。こんなひどい制度、一刻もはやくなくしましょう!』
http://blogs.yahoo.co.jp/struggleunioncenter/31273945.html 閲覧日2009.10.22)


 このように、毎日新聞の記事によって裁判員制度を誤解する人が増え、制度に対する国民の反感はさらに高くなった。せめて、裁判関係の記事を書く部署にはある程度法律を知っている記者を配置してもらいたいものだ。

「ぶれている」と言われるが 麻生首相に何を求めているのか

 総理大臣が麻生太郎になってから、野党・マスコミが総理に対して「ブレている」というフレーズで批判することが増えいるように感じられる。

 もう忘れている人も多いだろうが、5月に厚生労働省分割案の具体化を麻生首相が閣僚に指示し、最終的に断念したことについて、野党・マスコミは「また麻生首相の発言がブレた」と批判した。
 これについては、麻生首相は「そういう命令はしていない」と否定したようであり、事実関係ははっきりしないが、ここでは事実関係についてはマスコミの報道が正しいという前提で話を進める。

 野党・マスコミによれば、政治家たるもの、一度口にしたことは必ず実行しなければならないようだ。たとえそれがある政策の「検討」とか「具体化」といった程度の確定的ではないものについても、「やっぱりやめよう」という選択肢は許されないのである。

 厚労省分割案が出た背景には、同省が社会保険・雇用・医療・衛生など極めて幅広い業務を管轄しており、1人の大臣が統括するには大きすぎるという事情がある。同省の予算も他の省庁に比べてとても大きい。この不都合を見て分割を思いつくことはそれほどおかしなことではない。
 そこで、麻生首相は深く考えずに厚労省分割案の検討・具体化を指示したのだろうが、いろいろ調べてみると問題がたくさんあったようだ。それを知って麻生首相は厚労省分割は取りやめとしたが、これが「ブレている」そうだ。

 では、麻生首相は「ブレている」という批判を受けないためにはどうすればよかったのだろうか。選択肢は3つ考えられる。

1:最初から厚労省分割などという難しい事は言わない。
2:厚労省分割について野党・マスコミ・国民には非公開で調査・議論を進め、密室でどうするか決め手から分割案を公開する。密室で決めたことはもう変更しない。変更したらブレている。
3:いったん思いついた政策はどんな問題にぶつかろうとも、どんなデメリットが生じようともやり遂げる。

 私に言わせてもらえば、1番目の選択肢を選ぶようでは政治家失格だ。何のために高い給料を税金から払っているのか。それは国を良くするために頭を使ってもらうためだ。その任務を放棄する人間に政治家となる資格は無い。
 2番目の選択肢は民主主義に反する。今の国会でも本当に「議論」されているか疑問だが、2番目の選択肢を推奨するということは、国会での「議論」によって良い法律・政策を作るという民主主義思想を否定することだ。政府で決めたことは議論の余地を残さず多数決で押し通すことが望ましい政治だと考える人は麻生首相を「ブレている」と批判し、2番目の選択肢を対案として示せばよい。
 3番目の選択肢はもっと悪い。2番目の選択肢では、一応、細かい所まで議論を詰めているが、3番目では、思いつきの状態から進んでいない。滅茶苦茶な政策が民主主義的観点から決して望ましいとは言えない多数決至上主義原理で実行に移される可能性がある。

 そもそも、ある政策が必要だと総理大臣が思いついた場合に、早い段階から公開の場でその政策が議論され、多くの人から問題点が指摘され、必要に応じて最初の提案を修正・撤回することのどこが間違っているのだろうか。これがあるべき民主主義だと思うのは私だけだろうか。

 安倍首相の頃から、マスコミは事あるごとに総理に対して決して本質的とは言えない、人を小バカにしたような批判をすることが多くなったと感じられる。政治思想が近く信頼できる人間を閣僚に配置することを指す「お友達内閣」という流行語ができ、安倍政権のイメージは大幅ダウンした。今度は「ブレている」がテレビ・新聞で連発されている。

 マスコミに良識だとか公正さなどをを求めること自体が間違っているのだろうか。

なぜ議員の名前が出ないのだ 郵便不正問題

障害者団体向けの割引郵便制度の悪用をめぐる虚偽公文書作成事件で、「凛の会」に障害者団体証明書を発行するよう依頼したとされる国会議員の名前が出ない。

当時の厚生労働省障害保健福祉部部長は「民主党幹部の国会議員」から「凛の会」への対応を依頼され、審査担当の部下に伝えた。(6月16日朝日社説

こちらの記事によれば、産経新聞社がその議員事務所に取材したところ、「凛の会」とは関係ないとのコメントを得たそうだ。ということは、この疑惑の議員が誰かは分かっているという事だ。同様の内容は他の報道でも見ることができる。

また、多くの報道では、証明書発行を依頼した人物を単に「国会議員」と報じ、政党すら分からないようにしている。

なぜ、マスコミは政党名あるいは議員名を伏せて報道しているのだろうか。こういった汚職事件の場合、国会議員に関与の疑いが生じたらたとえ本人が否定していても名前くらいは出るだろう。

もし、議員の実名を挙げて報道すると、その議員は疑惑の中心人物をして扱われ、議員はもとより所属政党の人気も低下するだろう。民主党が不利になるような報道を自主規制しているのか。

ちなみに、報道によれば、証明書発行の依頼を受け入れた理由として、障害者自立支援法をスムーズに通すためだという。同法には民主党は反対だった。もっとも、反対の仕方(黙って反対票を投じるか、審議拒否などで徹底抗戦するか)によって法案成立の難易度は変わってくるから、職権を濫用して野党議員の便宜を図るメリットはあると思う。

世界の指導者 誰を選ぶか

こちらのブログに興味深い文章があった。
http://d.hatena.ne.jp/KJ-monasouken/20080512



世界の指導者を選ぶときがやってきた。あなたの一票は、貴重な一票である。以下は、候補者に関する情報である。



候補者A:

不正な政治家とつながりがあり、占星術者に助言を求める。 彼は二人の愛人を持っていた。 また、チェインスモーカーで、一日に8〜10杯のマティーニを飲む。



候補者B:

会社を二度クビになった。いつも昼まで寝ている。 学生時代には阿片をやっていた前歴がある。 一晩に1クオート(約1リットル)のウィスキーを飲む。



候補者C:

彼は勲章を受けた戦争の英雄である。 菜食主義者で、タバコは吸わない。 ビールを良く飲むが、これまで浮気をしたことはない。


候補者D:

父は軍の将校養成機関を首席で卒業。本人も上位の成績で卒業している。軍人としてのみならず、政治家としても実績を残し首相の座に上り詰める。

タバコは吸うものの、酒は殆ど嗜まず、たまに疲れたとき晩酌するほどであり、決して深酒するようなことはなかった。飲み方も一合瓶を予め飲む量を目算してそれ以上は決して飲まないという自制心の強いものであった。女性に対してもだらしないところはなく、親族の浮気も許さないほどであった。

非常な部下思いであり師団長時代は兵士の健康や家族の経済状態に渡るまで細かい気配りをした。平等主義を徹底し、食事も兵士と同じ内容のものしか取らなかった。一品でも兵士の献立と違うと思われるものが食膳に出されると、兵士にも行き渡っているか確認し、そうでないと知ると決して箸を付けなかった。首相としても国民生活に気を配り、自ら庶民のごみ箱を視察して食生活の状況を確認していたことは有名である。

彼の死後、彼の霊はとある施設にて祀られており、そこに後任の首相が参拝するときには近隣諸国でも話題になるほどの影響力を残している。


これらの候補者のうち、あなたは誰を選ぶか?



A〜Dが誰かは上記のブログの一番下に書いてある。


私はこれを読んで、CとDが誰かはすぐに分かった。CとDが分かったから、チェインスモーカーのAも予想できたし、そうなると、エピソードを全く知らないBも2人に絞り込めた。


ものは言い様ですな。どんな人物にも光と影があり、光ばかりを見ると輝かしい英雄に見えるし、影だけを捉えると悪魔にもなる。

マスコミがある政治家について、ごく一部の政策の問題点や言い違いばかり取り上げたら、それなりに有能な政治家に対しても最悪・無能な総理というイメージを植えつけることもできる。




ちなみに、

候補者Aは、フランクリン・D・ルーズベルト

候補者Bは、ウィンストン・チャーチル

候補者Cは、アドルフ・ヒットラー

候補者Dは、東條英機



田母神俊雄幕僚長 明日、証人喚問に

明日(厳密に言えば今日だが)は田母神閣下の証人喚問だ。

だけど、NHKは中継をやらないみたい。
どうして、こんな重要な証人喚問を映さないのか。民主党議員が田母神閣下に論破されるシーンを流したら今まで自分たちが流してきた自虐史観番組と整合性が付かなくなることを恐れたのか。

まあ、いい。
参議院のサイトでも中継を見ることができる。

参議院インターネット審議中継 −今日の審議中継−

ここから外交防衛委員会を選べば、たぶん田母神閣下の勇姿を拝むことができるだろう。


彼の論文には、私が見ても「ちょっと言いすぎではないか」「この解釈は行き過ぎではないか」と思うような箇所がいくつかある。
でも、問答無用の更迭、退職金返納の要求、証人喚問…
これではまるで犯罪者扱いだ。
軍人が政府の言うことを聞かずに暴走するのは困るが、イエスマンばかりでもいけない。意見表明くらいでここまで大騒ぎするのはどうかしている。

田母神閣下の記者会見を見ていると、彼は証人喚問にはむしろ出たがっているような表情をしていた。そりゃそうだ。犯罪行為を追及されるわけではないのだから。こういう公の場で自分の考えを理解を示し、理解してもらえる機会はそうそう無いだろう。生中継はされないが、夜のニュースでトップ扱いにはしてもらえるだろう。(マスコミの偏向報道で彼の真意が歪められてお茶の間に流されないか、若干の不安はあるが)


【追記】
って、メンテナンス中かいw
参議院インターネット審議中継

メンテナンスは会議やってない時にやれよ。

それとも、国会ぐるみで田母神さんが民主党社民党共産党を論破するシーンを流さないようにするつもりか?

まさか、そんなことはないよな。


まあいい。
会議が終わって1時間くらいすると録画映像がアップされるらしいから。
まさか、そこで都合の悪いシーンをカットされる、とかはないよな。

中山議員の日教組批判を「失言」と呼ぶな

最近の報道を見ていると、しばしば、中山成彬前国土交通大臣の「ごね得」「日本人は単一民族」「日教組は解体すべし」といった発言が一括りに「失言」と表現されている。中山議員に限った話ではないが、野党・マスコミは政治家の揚げ足取りが大好きなようだ。

中山議員の諸発言について、その中身を検証する報道はほとんど見られない。十分な補償があるにも拘らず天下国家の大事業たる空港拡張に協力しない人々や、大和民族が長い間強力な異民族と切磋琢磨する機会を持たなかったことによる民族的欠点を検証し、中山議員の発言の真意を国民に伝える報道を私は求めていたのだが、ほとんどのメディアは言葉尻を捉えて問題発言だと騒いでいるのみである。日教組批判については、日教組加入率と学力テストの成績に相関関係が無いとする分析があったが、中山議員が明らかに間違っているわけではない、つまり、中山叩きに使えない前者2発言の分析は少なくとも私の目と耳には入らなかった。(もっとも、中山議員は日教組の問題を学力低下のみとしているわけではないが)

「失言」とは言うべきではない言葉を意味する。ある発言を「失言」と呼ぶことは、問答無用で誤りだと断定することと同じである。「ごね得」「単一民族」発言は、私としてはもっと深い議論が聞きたかったものの、中山議員本人が撤回し謝罪した以上、「失言」と称されるのはやむをえない。しかし、日教組批判については、中山議員は撤回していない。中山議員が政治家としての信念を持ってそう言っているからだ。
中山議員の主張に対しては賛否が分かれるところだろう。しかし、彼の主張に反対だからと言って、公正中立を謳うマスコミが失言=誤りだと一方的に決め付けるような論調には私は納得できない。日本の政治家は軽くなったとしばしば言われるが、マスコミもまた軽い。


【参考記事】

「日教組批判は取り消すわけにいかない」中山前国交相インタビュー(上)


「徹底してやるしかないんじゃないの」妻の言葉に押され 中山前国交相インタビュー(下)

組合と学力に関連性はあるか? 低学力地域は日教組票多く

麻生総理所信表明演説 マスコミは民主党への批判・質問ばかりだと言っているが

 9月29日に麻生新総理による所信表明演説が行われた。その内容はなかなかのものであったが、野党・一部のマスコミは「民主党への批判と質問ばかりで所信表明演説になっていない」と反論している。あたかも、「首相は国政の方針を明らかにする所信表明演説の場で民主党批判に終始した」と言わんばかりである。

 確かに、麻生首相の所信表明演説の中には民主党への批判、問いかけがいくつか見られた。しかし、野党・マスコミが主張するように、そればかりを延々と言い続けたわけではない。

 具体的数値をもって示すならば、私が測定したところ、所信表明演説が21分余りに対し、民主党への言及に要した時間は3分24秒である。大半の時間が日本が抱える課題とこれからやるべき政策ついての主張に費やされていた事は、所信表明演説全文を読むか映像で見た人には理解できるだろう。

 内容としては、日本を強く明るい国にすると冒頭で述べ、景気対策の実行、財政再建は日本の繁栄のための手段であって目的ではない、改革による成長、などの経済・財政面で小泉改革からの軌道修正を主張し、暮らしの安心については、長寿医療制度の見直し、医師不足、雇用問題、食の安全などに言及している。さらに、外交については、日米同盟の強化やインド洋給油活動の継続を主張している。これらの問題について民主党への批判に近い逆質問があったが、対立する考え方と対比させながら自説を展開することに何の問題があるだろうか。
 私が思うに、麻生演説は所信表明演説としては十分、必要水準に達している。後はそれをいかに具体化し実現するかである。

 それでも、野党議員は「麻生演説は民主党への質問・批判ばかりである」と言っている。彼らは全員本会議場で寝ていたのだろうか。それとも、国民を騙し、扇動しているのだろうか。いずれにせよ、国会議員としての資質を疑いたくなる。

 もっとも、野党議員が敵である自民党・麻生政権の印象を悪化させるためにあの手この手を使うというのは選挙戦術として理解できなくもない。私が問題にしたいのは、マスコミの報道姿勢についてだ。例えば、朝日新聞は9月30日の社説において「いつもなら、新しい首相は政治理念を語り、新政権で目指す政策の青写真にもっと力を込めるところだ。だが、衆院の解散・総選挙が目の前に迫る。崖(がけ)っぷちに立つ自民党政権のトップとして、とても大仰な所信を語っている余裕はないということか」と記述している。私はニコニコ動画という動画サイトで所信表明演説を見て「大仰な所信」を堪能したのだが、それは完全に無視されている。テレビのニュース番組もほとんどがこのような具合だ。

 本来ならば、所信表明演説の内容を紹介し色々と批評を加えるのがマスコミの仕事であるのに、今回はその内容を無かった事にしている。かつて、小泉元首相が郵政選挙を断行した際、マスコミが自民党に有利な報道を行ったことを反省する旨の事を述べていたキャスターが何人かいたが、今回の偏向報道はそれ以上に悪質だ。


 なお、所信表明演説は以下のリンク先で確認することができる。平均的な政治家の演説よりも分かりやすく、その人の考えを理解しやすい内容になっているので、時間があれば是非読むか視聴していただきたい。

首相官邸サイト「第170回国会における麻生内閣総理大臣 所信表明演説」


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