久しぶりにブログを書きます。

先日、図書館で中島岳志著「中村屋のボース」を借りました。

これは、ラース・ビハーリー・ボースの生涯を描いた本なのだが、私はR・B・ボースを知らず、目次からインドの独立運動家であること、太平洋戦争中のインド国民軍の人であること、ということを読み取り、チャンドラ・ボースの変名か何かかと勘違いした。

R・B・ボースはインドで過激な独立運動を行い、イギリス政府から逃れるために日本に亡命するが、日英同盟下の日本政府はボースを国外追放にした。しかも、期日を短く設定し、アメリカなどに逃げることはできず、このままでは強制送還されイギリスによって処刑される。それを頭山満などが救い、新宿のパン屋、中村屋に匿われることになった。のちにボースは中村屋の娘と結婚し、その縁で中村屋が喫茶部をオープンする時に、日本で初めてとなるインド式カレー「インドカリー」を伝えた。このインドカリーは「恋と革命の味」と呼ばれ今もある。今度東京に行ったら食べてみたい。


最近、伝記をよく読むのだが、これはなかなか面白い。今まで知らなかった人と人との関わりがあったと気付く。
例えば、この前読んだ小島恒久著「向坂逸郎 その人と思想」で、向坂が岩波書店の創業者岩波茂雄の世話になったと書いていた。また、私の住むところの近くの熊本県荒尾市には宮崎滔天がいて、孫文などを支援している。そして、「中村屋のボース」では、ボースが警官の目を盗み中村屋に逃げる場面に岩波茂雄や宮崎滔天が出てくる。そういうつながりというのは面白い。